介護職は離職率が高く、人の出入りが激しいことが特徴だ。人手不足ぎみの現場では、自分の業務だけでも手一杯なのに、新人が入ると新人教育も行わなければならず、やることが更に増えてしまう。そんな新人教育の悩みには大きく分けて、教える側と教わる側の問題がある。
介護職では即戦力が求められる。しかし、入ってくる新人すべてが即戦力としてのスキルを持っているわけではない。中には、常識が通用しない人も多く、「挨拶ができない」「洗濯ができない」「ものが片付けられない」など、介護職の教育以外のことからスタートする新人も多い。当然、仕事を覚えるまでは時間がかかるため、それまでの期間常にオーバーワークの状態というわけだ。また即戦力としてのスキルを持って入職した場合であっても、教える人によって内容が変わってしまうとすぐに力を発揮することができない。人によって内容が違うというのは教わる側でよくある悩みである。
これらのことを解決するためには教える側もしっかりとしたビジョンを持って新人教育を行う必要がある。介護は正解のない仕事なため、同じことをしていても受け取り方が違う。自分の考えややり方ではなく、基本的にしなくてはいけないことをしっかりと知ってもらうことが大切なのだ。例えば、高齢者に対する言葉のかけ方や、人への接し方など原則的なことを中心にまとめるとよいだろう。また、コミュニケーションの取り方も、ただ話しかけるのではなく、介護を通したコミュニケーションの取り方を教えておくと、後の仕事がスムーズに運ぶ。また新人教育を行う前に、「介護の新人教育お悩み相談所」で教える側や教わる側の悩みを知り、事前に対策を考えた上で教育を行うようにしよう。
多忙な介護職だからこそ、人材の育成は重要だ。教える側、教わる側どちらの立場からも何が必要か考えて教育に当たることが大切である。